高齢者の権利擁護~高齢者虐待と成年後見制度~

金沢区役所高齢障害支援課・金沢ケアマネ倶楽部 共催

令和2年12月15日14時より金沢区役所の3階1号会議室にて開催されました。今回の研修ではオンラインも同時開催となり多くの人が参加されました。今回の研修は事例から考える高齢者の権利擁護と題して村瀬景子弁護士(神奈川弁護士会 Ⅿ&Fパートナーズ法律事務所)が3つの事例を用いて高齢者の権利擁護を守るためにケアマネジャーとしてどう関わりをしていけばいいかなどのお話をいただいた。

1つ目の事例は虐待が疑われるケース。

2つ目の事例は実際に虐待が起こっているという事が確認できているケース。

3つ目は2目の事例と同じく実際に虐待が起こっているが、病状悪化により、その虐待を受けている利用者さんが入院していて退院後の支援が必要なケースについてそれぞれ講義を受ける。

高齢者の虐待が疑われるケースへの対応に関しては高齢者虐待防止法にもあり、虐待とは「高齢者が他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命・健康・生活が損なわれるような状態に置かれること」とあり、ここでのポイントとしてはたとえ実際に虐待が起こっているという事実が確認できず虐待の疑いであっても高齢者の権利・利益が侵害されていたり、生命・健康・生活が損なわれるような状態が予測される時には高齢者虐待防止法の趣旨から虐待にあたるものとして対応すべきとされるとのこと。そのようなことがあった際にケアマネジャーが行うべきポイントは4つある。

第1にケアマネジャーとして「虐待」に対して期待される役割は早期発見と地域包括または市町村への報告と連携が期待される。

第2に早期発見のポイントを意識するということ。早期発見のポイントを意識する際に「高齢者虐待発見チェックリスト」の活用や「養護者に対する支援」の観点を意識する必要がある。

第3に問題は複合的に重なっている場合が多い。

その為、問題点の洗い出しと整理が必要になるが、その際にも抱え込まず役割分担の発想が必要とのこと。

第4に記録・情報集約の重要性を意識する必要がある。 記録に関しては客観性を確保することや複数の情報源を確保し、事実と推測・意見は必ず区別する事の重要性について話をされる。

2つ目の事例は(経済的)虐待が明らかというケースでは地域包括への報告や早急なネットワークミーティングの開催の働きかけをする必要がある。

3つ目の事例は退院後支援が必要なケースではこのケースに関してもまずは地域包括への報告をし、ネットワークミーティングの開催が必要とのこと。自宅退院となった場合、成年後見人が選任された後でもその後適切な身上監護が維持されているか、在宅での生活継続で問題がないかの確認はケアマネジャーの情報も重要になってくるとのこと。

以上の内容について講義を受けたが、ケアマネジャーとしては日々の業務の中で虐待やその疑いがある利用者さんと関わるケースも多くある。その際には早期に包括や区役所に情報を提供し、関係機関と連携を図り、本人の権利をどう守るかという観点から日々の業務で利用者と向き合っていきたいと考える。

   

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